マイクの修理

古いマイクの修理を依頼されました。
既に製造中止の ICOM HM-103 です。

このマイク、接続コネクタがLAN配線で良く使われる RJ-45 タイプになります。
このコネクタの欠点は、抜き差しを繰り返すと、経年劣化でラッチが折れてしまい、
ロックが効かなくなるんですよね~

これが、折れた状態。
LANケーブルのラッチが折れた写真です。

配線は、色々調べて、こんな感じです。
NC部分は、配線が無く、5本のケーブルで接続されています。
使ってない部分にケーブルが入りやすいので面倒ではありますが、作業としては比較的簡単な作業です。

あと気になるのは、RJ-45の場合、「単線用」と「より専用」を使い分ける必要があります。
通常LAN配線の場合、単線用が多いのですが、今回はマイクのカールコードですから、
しなやかに動く、より線が使われているはずです。

これが、単線用のコネクタ。
金色のピンの部分が曲がっているのが確認出来ると思います。
単線を挟み込む形状ですね。

手前のコネクタが「より線用」でピン形状は真っ直ぐです。
ケーブルに突き刺して、接続する形状になってます。
「より線」は挟み込んでも、緩む事があるので、形状が異なってます。
修理する時は、線の種類を確認してチョイスしましょう。

ここまで準備すれば、完璧。
ラッチの折れた、コネクタを切り落として、新しいコネクタと交換します。
ここで、問題発生。
ケーブルを切断して、再接続の為に、被服を剥いたのですが、
黒の線は、一本しか出てません。
その代わりに赤の線が出てきました・・・え!
赤なんて、配線には無いぞ~~

本体をバラしても、ケーブルに赤がありません。
ケーブルには、黒、緑、青、白(ピンク)、それとシールド


白(シールド線付き)


う~~ん。
結論から言えば、赤は使われて無くて、ケーブル根元で切断されているみたいです。
黒の2本目は、白(ピンク)線のシールドと思われます。

で、こんな感じになりました。
赤は強度アップの為に、左の1番ピン、NC端子に接続。
1番ピンは、NC(空き)結線強度アップの為、未使用の赤を接続
2番ピンは、黒
3番ピンは、NC(空き)
4番ピンは、緑
5番ピンは、シールド線を、黒線にハンダでチョイ付けして頭を合わせて配線
6番ピンは、白(ピンク)
7番ピンは、青
8番ピンは、NC(空き)

何とか形になりました。
修理依頼元にお渡しして、動作確認をして頂く事になります。
受け渡しは、今度の日曜日ですね・・・・思ったより時間がかかりました。

最後に、検索していて見つけたのですが、折れたラッチを補修する部品もあるんですね。

折れたラッチ部分を綺麗に切り離して、上から被せるタイプです。
これを使えば簡単だったのかもしれませんね・・・・

無線

Posted by papas