諫早湾干拓に思う事

昨日、作らない勇気について書きましたが、出来てしまった物はどうしようもありません。
私が思いつくくらいですから、お偉い方々は既にご存じのはず・・・

(Google Earth より)
ご覧の通り、諫早湾干拓は諫早湾全体から見ると1/3程度。
海流に大きな影響があるとは思えません。
この状態で開門しても堤防全体が無くなるわけでは無く、両サイドの小さな門が開くだけです。
ホントに海流を元に戻すなら、堤防を全て取り去らないと元には戻らないでしょう。
堤防を全て取り壊したとしても昔は有った干潟がありません。
浄化機能は失われ、たまり水状態の汚水が、汚泥と一緒に有明海に流れ込んでしまいます。

(Google Earth より)
この色の違いを見て下さい。
この水を開放すると、それこそ有明海に殺しを入れるようなものかもしれません。
忘れてはならないのが、防災面から見た諫早湾干拓です。
こちらは、ある程度の機能を果たしています。
私の友人の友人(遠いなーーー)は大雨の度に床上浸水、タンスや畳を2階に上げるのが得意になる程だったそうです。
それが、諫早湾干拓が完成してから一度も水害に遭っていません。
防災面では、機能してるんですね。
それじゃどうすりゃ良いんだ。
1.作ってしまった物は壊せない。
2.農地が完成して、既に入植も進み塩害はこまる。
3.防災面では、機能している。
4.有明海では、タイラギを中心とした二枚貝が打撃をうけている。
何故二枚貝が被害を受けるのか。
排水された汚水と、汚泥が海底に沈殿して二枚貝に打撃を与えているのでは?
素人でもわかりますよね。
それじゃ如何する。
調整池の水を浄化すれば良いんじゃないでしょうか。
調整池に大規模な、浄化システムを導入して、有明海並みの水質にして
放水すれば・・・・
最低でも放水する水から、汚泥を濾過するシステムが必要かと思います。
やった、新しい公共工事ができますよ。
公共工事が好きな、某所の皆さん、頑張って作って下さい。
国も作った以上責任がありますから、新たな公共事業を行って、雇用を創出しては如何でしょう。
そして、連綿と続く浄化システムのメンテナンス費用を毎年計上して維持していくのです。
ここからは、実体験。
私が小中学時代、有明海の遠浅の潟には、生物があふれていました。
数時間、潟を歩くと、タイラギが7~8枚は取れてました。
ただ歩く訳では無く、すり足で歩くとタイラギが足に当たるんです。
その他にも巻き貝や、海底に沈んだ竹の中には、アナゴがいたり、
ワカメなんか、買う必要は無いくらい、メカブごと流れていました。
勿論アサリも沢山・・・
ところが、就職して数年後、まだ諫早湾干拓は行われていません。
既に、この頃、潟に異変がおきていました。
潟の表面を沈殿物が覆って、殆ど収穫無し。
護岸工事が進み、自然の海岸が少なくなり、昔遊んだ川は、コンクリートで覆われて、川と言うより、排水路に。
そこに、家庭排水が流れ込んで・・・・
今の諫早湾干拓と同じように浄化システムを持たない環境にしてしまっているんです。
自然に浄化されていた環境を壊してしまえば、こうなって当然。
元に戻すには、壊す期間の数十倍の年月が必要でしょうね。
自然は、長い年月をかけて、回復しようとします。
その手助けをする時期に来ているのかもしれません。

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Posted by papas