減衰

電波減衰の話です。
実際の所、これまで実測した事がありませんでした。
会社で若手育成に使う資料として、使う事になり、同軸ケーブルでどの程度の減衰が発生するか、
実測してみる事にしました。
使ったケーブルは、5D-HFAを10m結構良いケーブルを使いました。
カタログデータは以下の通りです。
5D-2V   400MHz (183dB/Km)
5D-FB   400MHz (131dB/Km)
5D-HFA 400MHz (106dB/Km)
因みに私が使っているケーブルは、もう少し大きく・・・
8D-FB   400MHz (89dB/Km)
今回の試験では、5Dケーブルとしては、なかなか良いケーブルを使いました。

取り敢えず、20W入れて、フルスケール状態からの測定にします。

アンテナには、ダミーロードを入れて、理想状態でケーブル損失を確認します。
先ずは、145MHzから・・・18W出てますね・・・1割程、減衰しました。

次に、430MHzを入れてみます。
同じく20Wを入れて、アンテナ代わりにダミーロードを使います。
約、16Wになりました・・・・2割減衰ですね。

現在出せる最大の周波数、1200MHzです。
やはり、減衰が多いですね。
この周波数帯は、最大10W送信が許可されています。
フルスケールにするため、5W計測レンジにして、5Wに送信出力を絞り、
計測してみました。
20W入れたとて、ダミーロード手前で13Wに減衰しました。
3割強の減衰です。

10m同軸ケーブルを使うとケーブルでこれだけ損失します。
極力短くする必要がありますね。
それでは、グラフ化して見ましょう。

今回測定したのが、145~1295MHz迄ですから、2400MHzは、グラフを不自然にならないように延長して数値化してみました。
Wi-Fiで利用される802.11gでは、外部アンテナに接続するケーブルを10m使うと、
送信出力は半分以下になります。
ま!大体の屋外設置型Wi-Fi機器は、アンテナと本体が一緒になってる事が多いですね。
屋外装置に送受信部とアンテナが一体化、LANケーブルで給電接続する形状になってます。
ケーブルで延ばすなんて、当初から考えられてないのだと思います。
因みに、GPS衛星は、L1波(1575.42MHz)やL2波(1227.60MHz)、L5波(1176.45MHz)などの複数の周波数を発信しています。

初めて実測してみましたが、アマチュア無線でもケーブル使えるのは、1200MHz帯域までですね。
1200MHz帯域は、10W制限ですので、送信されるのは、5W強と言った感じです。
盛大な減衰を見込む必要がありそうです。